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パックラフトを取り扱う際の注意について

\パックラフトを取り扱う際の注意について/

 

 「空気を入れて膨らませるタイプのカヌー」、パックラフトは、利便性が高い一方で、安全に十分配慮して使用することが非常に大切です。

 今回の記事では、パックラフトを通じてカヌーがもっと多くの方にとって身近な存在になると良いなと思い、パックラフトを取り扱う上での注意点についてお話しをします。

 

 パックラフトを使用する3つの場面に分けて、ご紹介します。

 

1 保管するとき

2 使用するとき

3 片付けるとき

 

1 保管するとき

 基本的に、温度や湿度の変化が大きくない場所で保管しましょう

 パックラフトは、以前こちらの記事

パックラフトってどんなもの?

 でご紹介をした通り、ウレタンコーティングナイロンやPVC等でできており、とくにPVCの場合は耐熱性はあまり高くはありません。

 夏場の車内は気温50℃以上、ダッシュボードは70℃以上にもなるといわれています。

 年々暑くなる日本の夏において、車の中などはあまりパックラフトの保管に最適な環境とはいえません。

 また、湿度についても同様に、高湿の環境下では結露やカビが発生し、それらがパックラフトの生地を痛めてしまうことにつながります。主に夏場に使用し、それ以外のシーズンは保管しっぱなしということもあるでしょう。そのため、長期保管をする上で適切な湿度・温度が保たれるような場所に保管することをお勧めします。

 

<保管に向いている場所>

・室内のクローゼット

・日が当たらない屋内外の倉庫の中

 

<保管に向いていない場所>

・屋外や直射日光が当たる場所

・車内

・湿気の多い場所

 

<どうしても向いていないような場所で保管しなければならない場合の対処>

・ブルーシートをかぶせて屋外に置く等、直射日光を遮断する

 

2 使用するとき

 パックラフトを使用する際は、周辺環境を含め安全に注意をすることが一番重要です。

 環境については「フィールドの選び方」として、前回の記事にてご紹介をしていますのでこちらも併せてご覧ください。

どこでパックラフトを漕ぐ?

 

パックラフト本体を取り扱う、あるいはセッティングをする上での注意点としては、主に3点あげられ ます。

① 空気を入れすぎ/入れなさすぎに注意し、適切な空気圧を保ちましょう!

 パックラフトは1気室の場合が多いため、外気温や水温によって、空気圧が変化しやすい特徴があります。たとえば、夏の暑い日に黒いパックラフトを準備し、空気をパンパンに入れた状態で日なたに放置してしまうと、中の空気が膨張し、さらに空気圧が高まり破裂の危険があります。こういった場合は、すぐに乗艇しないのならば、少し空気を抜き、空気圧を低くしておくと良いでしょう。

 一方で、空気がしっかり入った状態の艇でも水温が低いと、パックラフトを水に浮かべることで中の空気が収縮し、空気圧が低下することもあります。そこで、水面に浮かべた状態で再度空気を入れて調整をすることで、快適に乗ることができます。

  ちょうどよい空気圧の目安としては、手で押したときに生地からの反発が少しあるくらいが良いでしょう。生地全体にしわが寄っている・もしくはパンパンに膨れ上がっている、という状態は避けます。

 

② 乗艇前後に、外に置いておくときは、風で飛ばされないようにロープ等で固定しましょう

 パックラフトは非常に軽いため、風が吹くと飛ばされる可能性があります。

 乗艇前後の時間、屋外に置いておく場合は、桟橋にロープで括り付ける、あるいは、ブロックに紐を結び、パックラフトに軽く紐を巻いておくといった形で整えておきましょう。

 

③ ループにロープを通しても良いですが、緩くなりすぎないようにしましょう

 パックラフトの外側には、グラブループと呼ばれる紐を括り付けるためのループがついています。

 このループにロープや紐を通し、桟橋に括り付ける際に使うことがあります。

 便利なループではありますが、万が一パックラフトから水中に落ちてしまうようなことになったときに、そのループに括り付けている紐がゆるいと、手足を絡ませてしまったり、漕いでいるときに障害物にひっかかってしまうリスクがあります。

 そのため、ロープを張る際は艇にしっかり沿うような形で、緩ませないように装着をしましょう。

 

3 片付けるとき

 一日パックラフトを楽しんだら、片付けるときにもポイントを押さえて丁寧に扱い、また次回使用するときまで良い状態で保存し、長く使えるようにしましょう。

 ポイントとしては、2点あります。

・全ての備品を水で洗う

・きちんと乾かして片付ける

 真水のエリアでパックラフトに乗ったとしても、細かな汚れ等が付着しています。それらをしっかり除去し、傷や傷みのもとにならないようにしましょう。

 水で汚れを落としたら、バックパックに入れて保管する前に、きちんと乾かす時間を取りましょう。とくに、生地が重なり合う隙間や紐の部分も乾ききってから片付けるようにしましょう。傷や弱くなっているような個所を発見したら、早めにお手入れを行っておくことも重要です。

 補修については、また後日ご紹介をさせていただければと思います!

 

 今回は説明が多くなってしまいましたが、保管・使用前後に、いくつかのポイントを押さえるだけでパックラフトも長持ちします。

 自然の中で楽しむスポーツですので、できるだけ自然にやさしく、長く使っていけると良いですよね。

 

 次回は、カヌーホームで夏季期間を通してパックラフト体験を行った実例について、社員インタビュー形式でお伝えします!お楽しみに!

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