一般社団法人カヌーホームは、カヌー愛好家からトップ競技選手まで、すべてのパドラーを応援します。

香川県 取材(府中湖・国市池にて)

【カヌー競技地を訪ねて、日本一周!vol.43 香川県】

スプリント 府中湖(坂出高校、坂出工業高校、府中湖カヌークラブ、白峰中学校)、国市池(高瀬高校、国市カヌークラブ)
スラローム 府中湖(讃岐カヌークラブ)
ワイルド  府中湖(讃岐カヌークラブ)

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香川県は、県協会理事長お墨付きの明石寛幸さん中心に香川県のカヌーのことを、また高瀬B&Gにてパラカヌー協会の今井航一さんがパラカヌーのことを、教えてくれました。

~府中湖編~
毎年3月末に、府中湖レガッタが開催されるので、多くのカヌースプリント選手が府中湖を訪れたことがあるのではないでしょうか。

現在、県内のスプリント選手は90人超。
高校生が約30人、中学生約30人、そして小学生が約30人。
最近では、大学や社会人としてもカヌーを続ける方が増えているそうです。
 
年代広くまんべんなく選手がいることや、これまで30年近く府中湖レガッタを開催してきた蓄積が、強固な地盤となっていますね。
特に、大会開催にあたってのOBOGだけでなくその家族も含めたサポート体制は素晴らしく、毎回100人近い方がスタッフとして大会運営に携わっています。また、そのほとんどの人が「カヌー競技にはたくさんお世話にはなったから」と快くお手伝いを引き受けてくれているようで香川県のカヌーに対する愛情を感じとることができました。
  
昨年11月には、坂出市カヌー協会主催でOBOGが気軽に参加できるカヌーフェスを行いました。
カヌーに関わった方が世代を超えてカヌーをまた楽しむことができる場をつくりたいという想いからはじめたといいます。
昨年は選手だけで約100名の参加があったそうです。香川でカヌー選手だった方、その家族・友人が集まり、大盛況だったとか。
協会としても、参加費は無料としており、純粋にカヌーを楽しんでもらいたい!という考えで行っています。

このフェス、今年は11月4日(日)に開催予定で、県外からの参加も可能ということです。今後はスプリントだけではなくスラやワイルド、SUPの選手などもっと広くいろんな方を巻き込んだものにしていきたいと明石さんはおっしゃっていました。
カヌーの全種目同時開催、お祭りとの並行開催、ナイトレース……など、カヌーにもっと人が集まるように、もっと見て楽しい競技にしていくアイデアをたくさん持っていて、カヌーホームはとても共感したのでした。
ぜひ、実現に向け、一緒にやっていけることがあればいいなと、ワクワクしますね!

そんな風に、現在指導員の明石さんは、自らの練習や小・中学生の指導の傍ら、香川・坂出のカヌーをさらに盛り上げるべく活動をしていらっしゃいます。
里帰り中の大学生や日本代表選手、小学生たちで一緒にリレーをしてみたりと、練習を見に来ていらっしゃった親御さん共々とても活気がありました。素敵な故郷で仲間ですね!

~国市池編~
場所は変わって、高瀬B&G海洋センターにて、香川県パラカヌー協会の今井航一さんにもお話を聞きました。
今井さんは5年前に、がん(悪性肉腫)の宣告を受け、それに伴い左脚を切断してから後、健康管理のために始めた水泳にのめり込み、パラ水泳の香川県代表選手として活躍をされていました。
   
パラの水泳は、健常者とあまり変わらないステップで練習に臨めるのに対し、カヌーは、艇の搬入出、船台までの移動、艇の手入れなど一人では難しいことも多いのです。
しかし、障がいを負って、1人でできることに制限が出る場面も多いからこそ、色々なことにチャレンジして可能性を試すことが、自信にもつながるのです。
そういう想いでカヌーにチャレンジしたことが、カヌーとの出会いでした。

奥さんがカヌースプリント経験者だったこともあり、1年前に初めてカヌーに挑戦しました。
実際にカヌーに乗ってみると、なかなか乗ることもままならない。これは、スプリント経験者の皆さんは身に覚えがありますよね。特に今井選手の場合は、左脚(約5kg)がない分、左右のバランスを取りながらカヌーに乗っているだけでも難しく、踏ん張りも効きづらいためパドリング操作の難易度も上がります。
悔しくて、練習を続けるうちに、あれよあれよという間にカヌーにのめり込んでいきました。

そして、まだまだ競技人口の少ないパラカヌーの活動を整えるためにも、香川県パラカヌー協会を立ち上げました。
健常者のカヌーがすでに盛んな香川県だからこそ、パラもチームを築き、選手の層を拡大して地盤を固めていきたい考えがあります。
特にここ最近のパラカヌー界は、全国的に見てもパラサッカー(アンプティサッカー)やパラアイスホッケー、車いすバスケから転向してきた選手などもいらっしゃって、これから盛り上げを見せそうですね。
香川県パラカヌー協会としては、障がいの程度に応じて、3つのクラスに分かれるため自分に合ったクラスに参加できることや、レジャーの延長にこういった競技カヌーがあることなど、一般認知を広げていくのにも精力的です。

「私のように、運動能力的にも、生命的にも、有限性を感じながらカヌーや他のスポーツをしている人は多いと思います。
しかし、だからこそ、いま自分が持っている力を最大限出し切ろうという気持ちが、より強く起こってくるし、自分の身体の声に耳を傾け、動きの一つ一つにも、注意を払おうという気持ちが、より強く起こってきます。

誤解を恐れずに言うと、私は、カヌーをしていて、身体に失われた部分や機能があるということの中に、楽しさや面白さを感じることがあります。
つまり、このままでは、生きてる方の右足まで壊れてしまう・・・。ここに掛かり過ぎてる負担をどこに分散させようかとか、
この部分がないことによる影響をどういう身体の動きをすることで補っていこうかとか、通常のセオリーを元に、自分の身体や感覚にマッチした身体操作やシートの装備を考えていくことが、より重要になってくるのが、パラカヌーの楽しさ、面白さでもあると思うわけです。

せっかく、左足がないという個性的な身体に変身したわけですから、パラカヌーの選手としても、より個性的なスタイルでプレーできたらなと思っているんです(笑)。
有限性の中に、無限の可能性を見つけようとしているのがパラスポーツ選手であり、おそらく、そういう姿を表現することが、私たちの誇りなのではないかと思います。
そんな楽しさ、誇りを分かち合える仲間を一人でも増やしたいという一心で、私は、香川県パラカヌー協会を立ち上げました。」
 
カヌーホームも、日本でより多くの方がカヌーに親しめるよう、これからもサポートしていきますね!

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ご支援について

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