カヌー界リレーインタビュー 第9弾!
前回は、エルゴ大会の際に出店頂いたオギノパンの荻野さんにご登場いただきました。
あまたある荻野さんのつながりの中から(カナダも候補に…)、今回ご紹介いただいたのは、柏木星詩(かしわぎせいじ)さんです!
神奈川県の三浦郡葉山町。山と海と豊かな自然に囲まれるこの地で、星詩さんは、現在アウトドアフィットネスクラブ「BEACH葉山」で働く傍ら、アウトリガーやSUPの選手としても活動されています。
京急の新逗子駅から、バスに揺られること15分。
道を一本超えればビーチに臨む町の中。築90年の古民家を改装したクラブが佇んでいます。
門をくぐってまず目に入るのは、薪の山とSUPボード、カヌー。
古民家の中に入ると、手づくりの焼き菓子やコーヒーが購入できる一角を超えた中に、とても気持ちよい吹き抜けの空間が広がります。
ここ「BEACH葉山」では、海上でのカヌーやSUPアクティビティ、室内でのヨガやピラティス、山でのトレイルランなど様々なアウトドアを取り込んだアクティビティを提供しています。会員制のこちらのクラブでインストラクター兼選手として、星詩さんは働いていらっしゃいます。
6人乗りのアウトリガーカヌー乗艇のこの日は、クラブ会員を乗せながら
「水と身体の感覚を感じながら漕いでみましょう~」
と、会員さん達に声をかけながら2時間ほど漕ぎました。穏やかで笑いの絶えない時間です。
もう葉山に移り住んで約10年が経ちましたが、実は、熊本県・水俣市出身の星詩さん。
幼い頃から、父親に連れられて、ロッククライミングや山遊びなどアクティブに過ごしてきました。
高校から始めたカヌースプリントで、インターハイや国体に出場をし、卒業後は地元の企業に就職をしました。多くのスプリント選手は、このタイミングでカヌーから離れることが多い中、星詩さんはドイツへのカヌー留学を決めます。
「たいして速くもなかったのですが、海外に行ったら速くなれる、強くなりたい、そんな単純な動機でした。経験として、英語はもちろん、ドイツ語もできない中で飛び込んで色々最初は苦労しましたが、一緒に漕ぐことが一番のコミュニケーション。言葉を超えて交流できたことや人としての成長をするために一歩(一漕ぎ)踏み出す人間力を養うことができたのではないかと感じています。」
ドイツから戻ってきてから、引き続き漕ぐにはどうすればいいかを考えるうちに、今度は海のカヌーが目に留まりました。
そこで一念発起、沖縄に移住し、ライフガードとして働く傍ら、アウトリガーカヌーやSUP、ハーリー(※沖縄伝統の競漕行事)に挑戦します。沖縄での生活の傍ら、6人チームでレースに臨むアウトリガーカヌーの大会が、茅ヶ崎近辺でたびたび開催されており、そちらに参加するたびに、熱意が高まっていきました。
「アウトリガーカヌーは、タヒチやハワイといったポリネシアを発祥とし、南太平洋の海で使われていた伝統的なカヌーです。古代ポリネシアにおいて欠かせない生活の道具であり、重要なものでした。海図の無い時代、星、海、雲、波を頼りに見えない陸地を目指し何百キロも航海をした記録も残っているほど、歴史とストーリーを秘めています。2020年の東京パラリンピックの種目に正式追加されるなどマリンアクティビティ、スポーツとして世界的にも認知され、タヒチやハワイを中心に世界中にクラブ立ち上がりなど、急速な広がりを見せています。」
そして、決意した葉山移住。
11年前にオープンしたBEACH葉山の社員として、2年目から働いています。
「学校の部活を超えた先が壁となり就活、就職後では一度パドルを置いてしまいカヌーから遠ざかってしまうのが現実だと思います。『現役中』に川、海、湖など、フィールドを問わず、クラフトを選ばず、純粋にパドルスポーツを楽しむ機会を持ってもらいたいですね。今後はそのような提案をしていきたいと思っています。」
そうして日々、葉山でインストラクターをされています。
クラブの性質上、会員さんの多くは中高年の方だそうです。葉山近隣だけでなく、土日にリフレッシュもかねて横浜や東京から通ってくる方もいらっしゃるのだとか。
また行きたいな、と思ってしまうBEACH葉山のあったかい空気感と星詩さんのお人柄。
お話を通して、人と違うことをすることは不安になったりするかもしれません。ですが、そうして踏み出した一歩から出会える人や体験が積み重なって、その人自身、星詩さんをオンリーワンな存在にしていると感じました。
カヌーをしたことのない方も、ある方も、ぜひBEACH葉山に足を運んでみてください!
http://www.beach-hayama.com/
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