一般社団法人カヌーホームは、カヌー愛好家からトップ競技選手まで、すべてのパドラーを応援します。

『君と漕ぐ』著者の武田綾乃さんに取材!

 

 

「カヌーの話は、どんどん書いていけますよ」

 

きらきらした目で語ってくださった武田綾乃さん。
カヌー界でも話題沸騰中、『君と漕ぐ』の作者です。
新潮社の文芸誌yom yomに連載されていたものが今年の1月末に文庫本として発売されました。

「カヌーを漕いだことは、一度もありませんでした。でも、小説を書くにあたって、シングルやペア、フォアなどの種目が多く、それぞれの関係性が生まれるので、ほかのスポーツと違って登場人物の個性をだしやすかったです。カヌースプリントが、ゴールまでの着順を競うというシンプルな競技なので、そこも書きやすい点ですね。」

カヌー未経験とは思えない筆致で、細やかに描写されるストーリー。
プロローグでは、主人公たちがオリンピックの舞台に臨んでいるシーンが描かれます。第1話の始まりは、高校一年生の春休み。まさにカヌーを始める、そんな一幕からはじまります。
カヌー経験者としては、読み進めるうちに「あ~、あるある!」の声が止まらない展開に舌を巻くばかりです。嬉しい気持ちが止まらない一方、そもそも、なぜカヌーを題材にしたのでしょうか? もとい、カヌーを題材に選んでくださったのでしょうか?

「アニメ化もされた前作の『響け!ユーフォニアム』は、自分の吹奏楽部経験をもとに創作しました。ああいった、高校生の部活、青春といった空気感が好きです。次はどんな作品を書こうかと考えたときに、今度はスポーツを、とくにまだマイナーなスポーツに光を当てたいと思いました。そこで頭に浮かんだのがカヌー。私の弟が高校生のときに、一時期カヌーに取り組んでいて、存在は知っていました。それが初めのきっかけですね。」

弟さんには、感謝がとまりませんね。カヌーに出会うきっかけやこうして小説化されるきっかけは、いろんなところにちりばめられているようで感激しました。
こうして、カヌー小説を書くべく、カヌーの試乗体験や聞き取り取材を重ねたそうです。

「書いているうちに、カヌーの面白さもいろいろと知っていきました。なんで弟がびちょびちょになって家に帰ってきていたかの謎も解けました! 水温や水場の環境によって、パドルに感じる水の重さが違うことや、カヌーの中にも様々な種目があること、カロリーを気にしないで食べられるくらいハードなスポーツだということ。私がそういうことを知ったように、『君と漕ぐ』を通じて、カヌーの面白さを知ってくれる人が増えるといいなと思っています。」

カヌー経験者にとっては、言われてみればもう当たり前になっていたようなことですが、そういった発見も多いとのこと。カヌースプリントについては特に、高校生や大学生から始める人も多いですが、その魅力は、こういった新鮮な発見や成長を感じる場面の幅広さがありそうです。

そんな武田さんが、小説を書くにあたって、気を付けていることなどはあるのでしょうか。

「青春小説を書く場合、私は人間関係に特に力を入れるんですが、今回のような専門性のある題材を書く時には、題材そのものの魅力を損なわないように、という点に気をつけています。カヌーをやっていて大変なところ、辛いところもたくさんあるとは思うのですが、でも、そういうこともある中で、やっぱりカヌー競技が持つ面白さや、経験者の方が感じる楽しさ、そういう魅力を大切に形にしたいと思って書いています。『君と漕ぐ』を通じて、カヌーの魅力を知る人が一人でも増えたらうれしいです!」

武田さんが今後調べたいことがすぐに出てくるような環境を、カヌーホームも一つ一つ整えていきますね。

武田綾乃さんの本はこちら⇒
『君と漕ぐ:ながとろ高校カヌー部』
出版社:新潮社
発売日:2019年1月29日
紹介:「女子4人のカヌー部、夢は全国制覇!」
両親の離婚で引っ越しできた高校一年生の舞奈は、地元の川でカヌーを操る美少女、恵梨香に出会う。たちまち興味を持った舞奈は、彼女を誘い、ながとろ高校カヌー部に入部。先輩の希衣と千帆は、ペアを組んで大会でも活躍する選手だったが、二人のカヌーに取り組む気持ちはすれ違い始めていた。恵梨香の桁違いの実力を知り、希衣はある決意を固めるが。水しぶき眩しい青春部活小説。

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