カヌーの指導にアツく、熱弁が止まらないといえば山梨県の都築先生。
おととし山梨県の取材に訪問した際も、快く迎えてくださり、驚きの練習風景を見せてくれたチームを指導しています。
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「指導者になったきっかけを教えてください。」
「自分自身、選手としてオリンピックを目指していました。ですが、そこに届かないな、と思ったとき一人でも二人でも世界に飛び立つ選手を育てたい、そう思って心機一転、指導者になりました。当時高校のカヌー部がなかったのですが、中学と高校一緒に教えられるよう、高校にも部活を作ってもらいました。」
「現在指導している選手の年齢層やターゲットレベル、一週間のスケジュールを教えてください。」
「現在、中学生から大学生まで指導を行っています。今年の春からはボート部の顧問になったのですが、継続してカヌー部のほうもみています。山梨県としては、国体での種目優勝を目指していて、個々の選手に対しては、世界に羽ばたく選手になるレベルを想定しています。入部の段階で、保護者説明会を開いて、選手にも保護者にも、練習のコンセプトを理解してもらうようにしています。必要なトレーニングとしてこれだけの量を行うこと、練習の内容によって夜が遅くなることなど、理解してもらってから入部してもらっています。
一週間のスケジュールとしては、今のような冬の時期は、月曜日:オフ、火曜日:高強度とウェイトトレーニング、水曜日:低強度、木曜日:低強度とウェイトトレーニング、金曜日:低強度と体幹トレーニング、土曜日:低強度&低強度、日曜日:低強度とウェイトトレーニングです。練習時間は一番長い時だと、16時30分から20時ごろまで行っています。」
「また、トリンプという指標でトレーニング量などを管理しています。これは継続して実施できる子やPCを持っている子などを中心に行っていて、この記録ができている子は、自分がいなくてもある程度練習ができるんじゃないですかね。」
このトリンプという指標は、カヌーホームでも今後拡大していきたいと思っている指標です。
(※詳細は記事の下部にも掲載しています!)
乗艇やエルゴ、筋トレ、ランニングなど、各トレーニングの強度や疲労度の単位をそろえたものでこれを使うことで、トレーニング量を可視化することができます。
このやり方を継続していることで、トレーニングのし過ぎやけがを予防することにも役立てています。
「都築先生にとって、カヌーにまつわる原体験って何ですか?」
「選手については、もちろん全員、心にも気持ちにも残っています。もし挙げるとするなら、山梨県出身の藤嶋大規選手が、テヘランのアジア大陸予選会で2012年のロンドンオリンピックの切符をつかんだとき。そのレースをビデオで見たときは、オリンピックって夢じゃなくて現実に起こることなんだな、と実感しました。あとは、渡邊えみ里選手、三浦伊織選手、娘の都築千空姫選手がインターハイや国体でシングルの優勝をつかんだ時も、うれしかった瞬間の一つですね。」
シングルはごまかしがきかない分、やっぱりうれしい、と語る都築先生。
指導の中でも重視しているトリンプの活用に絡めて、今後の展望について教えてくださいました。
「トリンプを使う選手が増えると、個人の練習の比較ができるようになります。自分の体を大切にするうえでも、選手として独り立ちするうえでも、活きてきます。指導者が変わったり、環境が変わったときにも、自分の言葉で表現できる、そういう選手を作っていきたいと思います。」
いつでも、山梨に来てください!ととてもウェルカムな雰囲気の都築先生でした!
※トリンプについて
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