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カヌー指導者の皆さんに聞きました!vol.6 明石寛幸さん

先週ご紹介した栗先生の教え子でもある、明石寛幸さん。

カヌースプリント入門ハンドブックの表紙も務めてくれました。こちらの写真↓の方です。

 

明石さんは、現在坂出市の職員として坂出市府中湖カヌー競技場に勤務しています。平日の部活動や週末の地元のカヌークラブの子供たちの指導と坂出市や香川県カヌー協会の大会やカヌー体験などのイベント開催時は運営や講師をしており、香川県のカヌーを盛り上げるためにと日々奮闘しています。また、その傍ら自身も現役の選手としても活動しています。

 

明石さんがカヌーとはじめて出会ったのは、5歳のころ。兄が中学校のカヌー部に入部し、カヌーを知ったのが本当のはじめて。その後も、地域柄、小学校のPTA活動でカヌー体験をする機会などがありました。

はじめて大会を観戦したのは、小学校2年生のとき。

兄が出場する全国中学生カヌー大会の応援で、家族に連れられ精進湖へ。

 

「最初はカヌーなんて全然、面白くなかったですね。夏休みの家族旅行が大会会場ですから絵日記も自然と精進湖の広大な自然だけになります。それにカヌーは遠くからスタートしてただゴールするだけで、会場は山の中か田舎の方で周りには遊ぶところもなくやることもなくて、ただ退屈でした。年に数回開かれるPTAのカヌー体験は楽しくて好きだったけれど、親には、自分はカヌーなんかやらないって言いました。小学校ではずっと剣道をしていました。」

 

しかし、そんな考えががらりと変わったきっかけもまた、兄のレースでした。

 

「自分が10歳くらいの頃かな、確か兄が高校2年生で、国体にカヤックフォアで出場していたんです。そのフォアが、0.001秒くらいの差で敗れてしまって、優勝を逃してしまいました。レースから戻ってきた兄が号泣していたんです。顧問の先生も、『勝たせてやれなくてすみません』とメンバーの親に謝っていたのも、すごくよく覚えています。でも次の年、高3のときはぶっちぎりで優勝したんです。その前の年のこともあってか鳥肌モノでしたね!このとき、カヌーしてる人ってみんな熱くて、かっこいいな。フォアってなんて綺麗でかっこいいんだろうって思いました。」そのときにはもう中学に入ったらカヌー部に入る決意が固まっていました。

カヌーをやりたい!という以上に、フォアに乗りたいという思いで、中学校ではカヌー部に入部します。そして中学3年生のとき、全国中学生カヌー大会でフォアの決勝レースに出場します。結果は、2位。

「めちゃくちゃ悔しかったです。シングルも4位で、このままじゃ終われない、と思っていたところに栗先生からの誘いもあって、坂出工業高校に進学しました。その高校時代では、インターハイのシングル500mで優勝することができました。栗先生が指導した選手の中で唯一獲っていなかったタイトルだったので、それを獲ることができたのは、選手冥利に尽きましたね。」

 

鹿屋体育大学に進学して4年間いろいろな経験をさせてもらってカヌー競技の難しさや勝負に勝つこと負けることの意味をたくさん味わいました。卒業後、地元の香川県に戻ってきました。

「社会人になるとき、選手としてカヌーをメインで続けられるようなオファーを少なからずいただきました。でもこれまで支えてくれた香川県のカヌーに恩返しをしたいという気持ちが強くて、戻ってくることにしました。

 

振り返ると、自分は良い先輩や仲間に恵まれたと思います。香川のカヌー関係者は、みんないつでもどんな時でも応援し、支えてくれます。まさにアスリートファーストです。頑張っている子を皆で応援しようっていう雰囲気があってそれが僕は大好きなんです。それに、中学のとき負けた相手の一人と、高校生になって久しぶりに大会会場で再会したときに『明石君、速くなったねー』と言われました。上から目線だな(笑)とそのときは思いましたが、そんな彼に高校最後のインターハイで勝って優勝できたときは、素直にうれしかったです。

 

でも、僕自身が日本一を本気で目指してそこまで頑張れたのは彼を含めて同年代の仲間達も同じように本気で日本一を目指して頑張っていたからだと思います。勝ったことと同じくらいみんなと漕げたことが楽しかったし嬉しかったです。

 

そんな風に香川県とか、カヌーとかを好きになる子がまた出てくるといいなと思って日々活動をしています。」

 

 

現在は、府中湖カヌー競技場で事務を行いながら、小学生~高校生にカヌー指導も行っています。

「まだ指導歴も3年目なので、経験も知識もいろいろと模索中です。でも、きっといい指導者は、引き出しがたくさんあって、選手一人一人に合った声掛けができる人かなと思っていて、同じ内容でも、その子の理解の仕方によってアプローチを変えて指導をできるようになりたいですね。その点、自分は今も選手として漕いでいるので、モーターボートで追いかけるだけじゃなくて、一緒に漕ぎながら、実際に自分の感覚とその子の感覚を共有しやすいのは強みだと思っています。そして、教える上で大事にしているのが、『成功したら選手のおかげ、失敗したら指導者の責任』という言葉です。常に教えるということに責任をもたないといけないと思っています。」

 

指導以外にも、今後取り組んでみたいこともあります。

 

「香川のカヌーをもっと盛り上げていくために、3年前からカヌーフェスを始めました。OB・OGには選手時代を思い出してもらって、その家族や一般の方にはカヌーってこういう競技で楽しいっていうことを知ってもらえるようなイベントです。これからは、府中湖がカヌー選手だけが来る場所という認識を取っ払っていきたいですね。

 

SNSの活用や、地元の大学生とタイアップも頭の中にあります。

 

2019年の夏にトレーニングセンターが新しく府中湖に完成しました。選手や坂出市民でなくても日200円で使い放題です。トレーニング初心者の方でも声をかけていただければ「無料で」お教えしますので安心して利用してくれればと思います。

 

また、学生のカヌーでの合宿には坂出市から宿泊に補助金が出たりする制度もあります。トレーニングセンターを含め府中湖をもっと多くの選手の皆さんが活用してくれればと思っています!トレーニングセンターなどに関して詳しく知りたい方がいましたら府中湖カヌー競技場、明石までご連絡ください。

 

これからもっといろんなアプローチでカヌーというものを皆さんに知ってもらっていつか、府中湖=カヌーっていう感じで誰でもカヌーを楽しみに来れる場所にしていきたいです!」

 

 

2020年 11月1日 第4回カヌーフェス 開催予定

坂出市府中湖カヌー競技場 香川県坂出市府中町1417-5 TEL 0877-48-1885

 

Twitter 坂出市カヌー協会  @kagawacanoe 

 

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